西村自然農園

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西村文子(にしむら ふみこ)
1951年群馬県の農家に生まれ、田畑を遊び場として育つ。日本福祉大学を卒業後、児童館勤務を経て、芳正さんと結婚。和歌山県の農園で働きながら自然食と有機農法を学び、77年より愛知県小原村(現豊田市)にて、自然体験農園・西村自然農園を開設する。
農園を訪れた人々とふれあいながら、自然や農業が好きになる種、手づくりを楽しいと思う種、少ないもので豊かに暮らせる種を撒きたいと願っている。

「本当の自分に帰る時間が大切ですよ」

●西村自然農園ではどんなことができますか?

普通の農家とは違って、
西村自然農園では、一般の方々が、誰でも気軽に、野草摘みや野菜収穫が体験できます。
そして、その採れたての物で、みんなでお料理を作って楽しく食べるんです。
みなさん、新鮮な野菜や野草のおいしさにびっくりされますよ。

●お客さんはどんな人が来られますか?

ほんとにいろんな方が来てくださって、
産まれたての赤ちゃんから、90才ぐらいのおじいちゃんとかおばあちゃんとか…、
病気の方とかね、ほんと重病の方も来るしね、
アトピーの方も来るし、すっごい元気な人も来るし、体育会系の子も来るし。

●お子さんも多いですよね?

大人の方々も多いですが、お子さんも多いですね。お子さんは、やっぱり幼児さんとか低学年の子。
高学年になると、4年生か5年生くらいまでですかね。中学生になるとグッと減りますね。
部活がありますから、「もう一緒に来てくれなくなった。」って言ってますね。

●なぜ西村自然農園を始めようと思ったんですか?

実は私たち二人とも体が悪かったんですよ。
主人もアトピーとか、ぜん息とか、鼻炎にずっと悩まされてて、
私も冷え性とかね、腰痛とか胃痛とか頭痛とかあって、とても体調が悪くて…。
だから、自然食に目が向いたのね。
それで、まぁ最初は自然食品の店で買って食べていたけれど、
自分で作りたくなるんですね、そんな感じですかね。
そして、探していたら、この場所が見つかって…。

●いつから、お客さんを呼ぼうと思ったのですか?

最初からお客さんを呼ぶためにここで始めました。
百姓をやってて、お客さんに来てもらうことにしようかっていうんじゃないんです。
最初から、子供が遊びに来て農業体験できる場所とか、
体の悪い人が来て療養できる場所にしようという思いで始めたので、
途中から農家が思いつきで始めたのではありません。
結婚した時に、そういうのをやって暮らして行きたいって思ってましたね。
日々生きていくことが、一生懸命生きてくことがね、
仕事になる暮らしを紡ぎたかったので、こんな形になっちゃいました。

●でもその頃、始めるのは大変ではなかったですか?

そうですね。
農産物を売って、暮らして、食べていくにはやっぱり8反とか10反とかね、
広い面積がいるわけですよ。
でも、そんな広い面積も無いし、農業技術もないし、トラクターとか買うお金も無いし…。だから、農産物売るって考えは全くなくってね。
農業やりたかったけれども、最初っから、もう2反くらいしか畑がないので、
作って、みんなで採って食べて、元気になってもらう…、という自然体験ができる農園を始めようと思いました。

ないことが良かったんですね。
体力もない、お金もないでしょ、技術もないし、田畑も十分にないってことが…。
もし十分にあったら、普通の百姓になってたかもしれないですね。

●ピンチはチャンスじゃないですけれど〜。

私も、強い人間ではないし、これだ!ってしっかり生きてる人間でもないんですけど、
でもね、気を落としてる人とか、これからどうしようかって人に言いたいのはね。
「ホントにあなたをあなたらしくしてるものっていうのは、
資格とか、技術とか、何ができるとかじゃなくって、
ボロボロになった、あなたの叫びから出てきたものであったりするんですよ」と。
「もうダメ」って思った時にね、ホントに自分らしさっていうのが出てきたり、
思いがけない力が出てきたりするものなんですね。

だから…わかんないよって。あなたの中に何が入っているかね。

真実っていうのは、弱みから出てくるものなのよね。

ホントにそう思いますね。
私も体をすごく悪くしたことがあったからこそ、今があるのよね。丈夫だったらこんなことやってないと思いますね。

公務員でお金がある生活を、ずーっとしてたら、どうなっていたかなとも思いますが、
今のこんな貧乏暮らしというか、
まぁ、気持ちは豊かなんだけど、世間で言うとちょっと貧乏っぽく見えるみたいなのね、
子供からは特にね。

だけどやっぱり、お金をたくさん稼いで、海外旅行に何回も行くとか、
宝石をたくさん買うとか、そういうのが私の本当の喜びじゃないんですね。
みなさんと打ち解けて仲良くなったり、やっぱり、みなさんに元気になってもらうのが、一番の私の幸せかな。

●最近、やってみて良かったことを教えてください

近年に限って言えば、
「暮らしを紡ぐ塾」をやってよかったと思います。

今までは、日帰りコースなどで、自然体験は単発でやってきたのですが、
来てくださってても、せいぜい1年に、まぁ1〜2回、
毎年来てくださるだけでありがたいんですけど…。
でも、この「暮らしを紡ぐ塾」は1年を通して、季節がめぐる中で、自然とかかわりながら暮らしを学んでいくコースなんです。

それを、やっぱり毎月ですからね。大変かと思ったら、それが、
みんな、来るたびにすっごい楽しみになって、「来月なんですか?」って。
その人の意見も取り入れたりしてね。

この間も「納豆やりたい」っていう人がいたので、納豆を作って、
「燻製もやりたいね」っていうので、今月は燻製。

それと、みんなが今一番作りたいのは「麹」なんですね。
やっぱりみんなルーツを知りたいんですね、どこまでも。

だって、他の味噌作り体験って、味噌を作るだけじゃないですか。
だけど、ここだと、味噌を作るのはあたりまえ。
大豆で大豆コロッケ作ったり、大豆を潰してお砂糖まぜて、
栗きんとんみたいな豆きんとんを作ったり、
豆ご飯作ったり、スープ作ったりとか、
いろいろ、豆の可能性が広がるじゃないですか。季節を感じて作るっていうのは。

西村自然農園では味噌作りだけってことはありえない。
味噌を作ったら、豆をちょっと取っといて、五目豆作ったりとかさ、
そういうのが普通。でも…やっぱり他だとそこまでやらない。
味噌作りだけでいっぱいになっちゃう。で、持って帰るとかになっちゃんだけど、
うちは持ち帰りがなくって、味噌蔵にいれといて、また秋になったらちょっと開けてって感じ。やっぱり皆さんが楽しみなように一応計画はするんです。

でも、やってみて、ホントによかった!
みなさんがすごく、楽しんでいるの。「生きる気力がわいてきた」とか、「季節がこんなにも待ち遠しいものなんだ」って
待ち遠しくって、体験してみたら、暮らしがますます楽しくなって。

特に街の人はね、季節感がわからないじゃないですか。
ここに来ると、季節の移り変わりを実感するんですね。

体験だけじゃなくて、
野草の天ぷらとか生みたて卵の玉子焼きとかも作って出したり、
ごちそうもあるし、すごく美味しいし、楽しいし、
会話も弾んで、参加した同士がお友達になれるし。

みんながここで学ぶだけじゃなくって、街へ帰って、
自宅なり公民館なりでリーダーになってほしいなって気があるので、
一応人材育成のつもりで、やっているんですね。